自治会の法人化(認可地縁団体)について
地縁による団体が、一定の手続きを行うことで法人格を取得できる制度であり、法人格を取得した団体は、規約に定めた目的の範囲内で権利義務の主体となることができます。
また、認可の目的について、令和3年5月の地方自治法改正により、不動産等の保有を前提としないものに見直し、不動産等の保有の有無に関わらず地域的な共同活動を円滑に行うために認可を受けることができるようになりました。(令和3年11月26日施行)
法改正により、以下の3点について実施可能となりました。
【地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(「第12次一括法」・令和4年法律第44号。)による地方自治法の改正】
1.認可地縁団体において総会を開催せずに書面又は電磁的方法による決議をすることができる。
2.認可地縁団体が解散したときの清算人による債権者に対する債権の申出の催告に関する公告について、その回数を三回以上から一回とする。
(令和4年8月20日施行)
3.認可地縁団体は、総会の決議により、同一市町村内の他の認可地縁団体と合併することができる。
(令和5年4月1日施行)
これらの改正の詳細については、別紙「認可地縁団体制度の改正に係る質疑応答」をご参照ください。
1 地縁による団体とは
地方自治法第260条の2において法人格付与の対象となるのは地縁による団体(町区、隣組などの団体)です。地縁による団体は、「町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体」と定義されており、区域に住所を有することのみを構成員の資格としているものです。
従って、青年団や婦人会のように性別や年齢の条件が必要な団体や、同好会のような活動の目的が限定的に特定されている団体は、たとえ区域が特定されていても地縁による団体とは考えられません。
2 地縁による団体が法人格を得るには
地縁による団体が法人格を得るためには、市長の認可が必要です。地縁による団体は、市長の認可により法人格を得ることとなり、第三者に対しても対抗できることとなります。
この認可の目的は、地縁による団体が、法人格を得ることにより、地域的な共同活動を円滑に行うことができるようにすることにあります。
3 認可を受ける要件
認可を受けるためには、次の4つの要件をすべて満たしていることが必要です。
- その区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理等良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的とし、現にその活動を行っていると認められること。
地域的な共同活動とは、住民相互の連絡、清掃・美化活動、自治会館の管理運営、防犯・防災活動、親睦旅行など一般的な自治会活動のことです。
- その区域が住民にとって客観的に明らかなものとして定められていること。
河川・道路等で区域が画されているなど、容易に区域の範囲がわかる状態である、という意味です。他の自治会と区域が重ならないようにしてください。また、飛地については、地域としてのまとまりが歴史的な実態としてあるのであれば、対象となります。
- その区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができるものとし、その相当数の者が構成員となっていること。
その区域に住む全ての人が加入できるという意味です。世帯を単位とすることは認められず、また区域に住所があること以外に、年齢・性別・国籍等の条件をつけてはいけません。相当数とは、その区域の全住民の過半数です。
- 規約を定めていること。
次の8項目を全て含んだ規約を定める必要があります。なお、実質的に必要な項目が定められていれば規約の名称に制限はなく、「○○会則」「××会規定」といった名称でも構いません。
(1)目的
(2)名称
(3)区域
(4)主たる事務所の所在地
(5)構成員の資格に関する事項
(6)代表者に関する事項
(7)会議に関する事項
(8)資産に関する事項
4 認可を受ける前にしておくこと
- 自治会名義で登記をしようとしている自治会館やその土地について、法務局でその所有者を確認するとともに、手続きについても確認してください。
- 現在の所有者から自治会への所有権移転について承諾を得てください。
- 登録免許税については法務局へ、法人税等の税金に関する申告や届出については市民税課へご確認ください。
- 司法書士等に依頼される場合は費用についてご確認ください。
5 認可申請手続き
(1) 認可申請手続きの流れ (申請から認可まで概ね2~3週間)
- 自治会で地縁団体の法人化申請について話し合い
- 市民自治振興課へ事前相談、規約案などの作成
- 自治会で総会を開催
次の項目についての議事録を作成してください。
(1)法人格を取得するための規約の制定案又は改正案の議決
(2)認可申請することの議決
(3)申請者を代表者とすることの議決
(4)構成員を確定し個人の名簿を市に提出することについての承認
(5)保有する資産の確定(自治会館用地、建物等) - 認可申請に必要な書類の作成、提出
- 市民自治振興課にて提出書類の確認及び許可要件審査
- 市長による認可を告示
(認可告示は法人登記に代わるものです。)
(2) 認可申請に必要な書類
- 認可申請書
- 規約
- 総会で議決したことを証する書類(議事録)
- 構成員の名簿
- 良好な地域的共同活動を行っていることを記載した書類
(事業報告書・決算報告書・事業計画書・予算書等) - 申請者が代表者であることを証する書類(承諾書)
- 認可を受けようとする地縁による団体の区域図
【必要書類書式】
- 認可申請書 (Word 29.0KB)
- 規約例 (Word 43.0KB)
- 規約例(解説入り) (PDF 304.6KB)
- 議事録例 (Word 32.0KB)
- 構成員の名簿(自治会会員名簿) (Word 34.0KB)
- 申請者が代表者であることを証する書類(承諾書) (Word 28.5KB)
6 認可後の手続き等
(1) 法人登記について
地縁団体としての法人登記は、市長が行う告示をもってこれにかえることになるため、法務局への法人登記は必要ありません。
(2) 不動産登記について
認可後は、自治会名義で不動産登記ができますので、法務局で手続きをしてください。登記申請には市長の発行する「告示事項証明書」が必要となります。また、地縁団体が所有する不動産を処分し、所有権移転登記を行う際などには「認可地縁団体印鑑登録証明書」が必要となります。
※登記申請の窓口は和歌山地方法務局(電話:073‐422‐5131)になるため、詳しくは同局へお問合わせください。
(3) 印鑑登録について
認可地縁団体の代表者等に係る印鑑(認可地縁団体印鑑)を登録することができます。認可地縁団体の代表者は、登録を受けようとする認可地縁団体印鑑を持参し、自ら書面により市長に申請をしてください。手続きについては、市民自治振興課で受け付けます。
印鑑登録に必要なもの
- 認可地縁団体印鑑登録申請書
- 登録する認可地縁団体の印鑑(印影が鮮明で8ミリメートル以上30ミリメートル以下の正方形に収まるもの。変形しやすいものは不可)
- 登録する代表者の実印(和歌山市に印鑑登録している印)
- 代表者の印鑑登録証明書:1通
【必要書類様式】
登録している認可地縁団体印鑑の登録を廃止する場合、認可地縁団体の代表者は、廃止しようとする認可地縁団体印鑑を持参し、自ら書面により市長に申請をしてください。
印鑑登録廃止に必要なもの
- 認可地縁団体印鑑登録廃止申請書
- 廃止する認可地縁団体の印鑑
- 廃止する理由を書いた書類
- 代表者の実印(和歌山市に印鑑登録している印)
- 代表者の印鑑登録証明書:1通
【必要書類様式】
(4)証明書の発行について
告示事項証明書
認可地縁団体として登録していることを証明する書類です。代表者に限らず誰でも請求することができます。
告示事項証明書交付申請に必要なもの
- 告示事項証明書交付請求書
- 交付手数料1通につき300円
【必要書類様式】
認可地縁団体印鑑登録証明書
認可地縁団体として登録している印鑑を証明する書類です。印鑑登録証明書の交付を受けようとする場合は、認可地縁団体の代表者が自ら書面により市長に申請をしてください。
印鑑登録証明書の交付に必要なもの
- 認可地縁団体印鑑登録証明書交付申請書
- 登録している認可地縁団体印
- 代表者の実印(和歌山市に印鑑登録している印)
- 代表者の印鑑登録証明書:1通
- 交付手数料1通につき300円
【必要書類様式】
(5)認可地縁団体の各種税金について
認可地縁団体には、以下の税金が課税されますので、減免申請手続きを行う必要があります。詳細はについては、それぞれの関係機関にお問い合わせください。
税の種類 | 適用 | |
---|---|---|
市税 | 法人市民税 |
均等割:減免措置 法人税割:非課税 |
市税 | 固定資産税 |
集会施設など公共施設に供する不動産の場合、減免措置あり (利用目的に公益性がない場合は適用されません) |
県税 | 法人県民税 |
均等割:減免措置 法人税割:非課税 |
県税 | 法人事業税 | 非課税 |
県税 | 不動産取得税 |
課税 集会施設など公共施設に供する不動産の場合、減免措置あり (利用目的に公益性がない場合は適用されません) |
国税 | 法人税 | 非課税 |
国税 | 登録免許税 | 課税 |
税の種別 | 適用 | |
---|---|---|
市税 | 法人市民税 |
均等割:課税 法人税割:課税 |
市税 | 固定資産税 |
集会施設など公共施設に供する不動産の場合、減免措置あり (利用目的に公益性がない場合は適用されません) |
県税 | 法人県民税 |
均等割:課税 法人税割:課税 |
県税 | 法人事業税 | 課税 |
県税 | 不動産取得税 |
課税 集会施設など公共施設に供する不動産の場合、減免措置あり (利用目的に公益性がない場合は適用されません) |
国税 | 法人税 | 課税 |
国税 | 登録免許税 | 課税 |
【各税のお問い合わせ先】
税の種別 | 担当部署 | 連絡先 |
---|---|---|
法人市民税 | 和歌山市市民税課 | 073-435-1035、1036 |
固定資産税 | 和歌山市資産税課 | 073-435-1037、1209、1210 |
法人県民税 法人事業税 |
和歌山県税事務所事業税課 | 073-441-3397 |
不動産取得税 | 和歌山県税事務所不動産取得税課 | 073-441-3399、3400 |
法人税 | 和歌山税務署 | 073-424-2131(自動音声案内) |
登録免許税 | 和歌山地方法務局 | 073-422-5131 |
7 認可後に変更があった場合の届出・申請
(1) 告示事項に変更があった場合
認可時の告示事項に変更が生じた場合は、代表者は市長に対して届出が必要です。この届出をもとに市長は、変更の告示を行います。なお、告示事項とは以下のものです。
【告示事項】
- 名称
- 規約に定める目的
- 区域
- 主たる事務所の所在地
- 代表者の氏名及び住所
- 裁判所による代表者の職務執行の停止の有無並びに職務代行者の選任の有無
(職務代行者が選任されている場合は、その氏名及び住所) - 代理人の有無
- 規約に解散の事由を定めたときは、その事由
- 認可年月日
代表者が変更となった場合
- 告示事項変更届出書
- 良好な地域的共同活動を行っていることを記載した書類(事業報告書、決算報告書、事業計画書、収支予算書等)
- 申請者が代表者であることを証する書類(承諾書)
- 役員名簿
- 告示した事項に変更があった旨を証する書類(議事録署名人が署名又は記名押印した総会議事録の写しなど)
- 認可地縁団体印鑑登録申請書
- 新代表者認印
- 自治会名の印鑑
- 新代表者個人名の実印
- 新代表者個人の印鑑証明書
【必要書類様式】
- 告示事項変更届出書 (Word 31.5KB)
- 申請者が代表者であることを証する書類(承諾書) (Word 27.5KB)
- 告示した事項に変更があった旨を証する書類(議事録例) (Word 32.0KB)
その他告示事項に変更があった場合
- 告示事項変更届出書
- 告示した事項に変更があった旨を証する書類(議事録署名人が署名又は記名押印した総会議事録の写しなど)
【必要書類様式】
(2)規約の内容に変更があった場合
規約の変更があった場合は、代表者は市長の認可を受ける必要があります。
申請に必要なもの
- 規約変更認可申請書
- 規約変更内容及び理由を記載した書類
- 規約変更を総会で決議したことを証する書類(議事録署名人が署名又は記名押印した総会議事録の写しなど)
【必要書類様式】
8 認可の喪失
(1) 認可の取消
認可を受けた地縁による団体が、次のいずれかに該当、もしくは不正な手段によって認可を受けたときは、認可を取り消されることがあります。
- 目的を営利目的、政治目的等に変更したとき。
- 認可地縁団体が、相当の期間にわたって活動していないとき。
- 区域内の一部の住民について、正当な理由なく加入を認めないこととしたとき。
- 構成員が多数脱退し、「相当数の者」が構成員となっているとは認められなくなったとき。
- 地縁団体の代表者、構成員または第三者が、詐欺、威迫等不正な手段により認可を受けたとき。
(2) 認可地縁団体の解散
認可地縁団体が次の事項に該当する場合、団体は解散となります。
また、解散した場合は、市長に対して届け出(市長による解散告示)、及び清算に伴う債権申し出の公告(官報による公告)などの手続きが必要です。
- 規約で定めた解散事由の発生
- 破産手続き開始の決定
- 認可の取消し
- 総会の決議(規約に定めのない場合は、構成員の4分の3以上の同意が必要です。)
- 構成員が欠けたこと。(相当数未満となったとき。)
9 その他の義務等
- 財産目録の作成と備え置き
認可を受けるとき及び毎年1月から3月までの間に財産目録を作成し、常にこれを主たる事務所に備え置いてください。 - 構成員名簿の備え置き
構成員名簿を備え置き、構成員の変更があるごとに必要な変更を加えてください。 - 総会開催の義務
認可地縁団体の代表者は、少なくとも毎年1回、構成員の通常総会を開いてください。
10 認可地縁団体の留意事項
- 認可を受けた団体は、認可後であっても従来からの自治会等と同様に住民が自主的に組織して活動するものであり、市町村の監督指揮下に置かれるようなことはありません。
- 正当な理由がない限り、その区域に住所を有する個人の加入を拒んではいけません。
- 民主的な運営の下に自主的に活動するものとし、構成員に対し不当な差別的扱いをしてはいけません。地縁団体の運営のあり方は、認可の前後によって変わるものではありません。
- 特定政党のために利用してはいけません。
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