第41回全国消防職員意見発表会入賞!!~和歌山の新常識を全国へ~(中消防署)
第41回全国消防職員意見発表会に出場しました。
中消防署 消防士長 田中宏幸(30歳)が東近畿支部の代表として第41回全国消防職員意見発表会に参加し、入賞を果たしました。
平成30年6月1日(金曜日)に東京都江東区にある東京ビッグサイトにおいて、『第41回全国消防職員意見発表会』が開催されました。
【会場の様子】
全国消防職員意見発表は、全国の各地域で選考を突破した精鋭10名によって行われ、本市消防局からの出場は、初となります。
田中消防士長の発表テーマは、『和歌山の新常識』と題して児童に対する斬新な防災教育を提案し、「防災遠足」というレクリエーション感覚で正しい防災教育を広めることで防災に強い街づくりができるというものでした。
【発表の様子】
【授賞式の様子】
「和歌山の新常識」
和歌山県 和歌山市消防局 田 中 宏 幸
「いってきます!」
「いってらっしゃい!」
元気に家を飛び出す子ども。あなたは、その笑顔を安心して、見送ることができますか。
私には1歳になる息子がいます。息子ができてから、子どもの防災教育に関心を持つようになりました。小さな子どもは、親や大人のいない場所に行くことはほぼありません。
しかし、小学校に入学すると大きく変わります。学校の通学や放課後、休みの日に一人で出かけるようになります。
考えてみてください。もしその時、大地震や津波が起こったなら、小学生はどのような行動をとるのでしょうか。
自分の身は、自分で守る。
小さな子どもでも、正しい防災知識を身に着けることができれば、自分を守ることに繋がると私は考えます。
釜石の奇跡が良い事例です。
釜石の奇跡とは東日本大震災で、岩手県釜石市内の小中学生の99.8%が津波から避難することができた事例です。
なぜ彼らは避難することができたのでしょうか。
それは津波避難訓練を8年間続け、正しい防災教育を身に着けてきたからなのです。
では、地元和歌山市の防災教育はどのようになっているのでしょうか。
私は、小学校の教師に連絡をとり、現在の防災教育について聞いてみました。
和歌山市の小学校の避難訓練は、学校単位で内容を決めており、回数もばらばらとのことでした。学校別で違う内容の避難訓練をしている。これでは地域ごとに避難率の差が出てしまいます。
さて、和歌山市内のある小学校では、上級生と下級生が2人1組になり、手をつないで公園まで遠足に行くそうです。
防災と遠足。私はここに1つのチャンスを見つけました。防災遠足です。
普通の遠足と違うポイントは3つです。
1つ、リュックサックは非常持ち出し袋。
遠足前にリュックサックの中身は、避難するために必要なものを家族で考えます。災害に備えての物なので、子どもには少し重いかもしれません。
しかし、災害時に何が必要なのか。準備の重要性を学ぶことができます。
2つ、電車やバスは使いません。
災害時、交通は麻痺していることでしょう。
学校から避難場所までを上級生と下級生が手をつないで歩きます。危険な場所は通らず、どういった場所が危険なのかを発見しながら移動します。地域の危険箇所を把握しておくことで、災害時、子ども自身で避難ルートを考える力が身に付きます。
3つ、お弁当はいりません。
代わりに非常食を食べます。
この非常食はカレーやビーフシチューなど火を使わずに作ることができ、1年生でも簡単に作れる調理方法です。
防災遠足のねらいは、楽しみながら防災を学ぶこと。
下級生は地域の避難場所と避難方法を知り、上級生は周りの人を助ける力を養います。
これぞ、まさに防災遠足です。
現在、防災遠足を市の教育委員会に提案中であり、実際に学校教育に取り入れられようとしています。
防災遠足を通じて、子ども避難率100%の未来を作る。
和歌山の新常識になることを信じて。
市長に入賞報告をしました。
平成30年6月7日(木曜日)、和歌山市役所市長室で尾花市長に入賞報告を行いました。
尾花市長の前で意見発表を披露し、発表を聞いた尾花市長から、「和歌山の新常識になるよう広めて頂きたい。」と祝福の言葉を頂きました。
【市長報告の様子】
【市長との記念撮影】
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