(令和6年9月号)和歌山城の堀の水を抜く
和歌山城を囲むお堀は、現在東と西の2か所にわかれています。でも堀の水は、どこから来て?どこへ流れているの?どんな生態系なの?などなど案外わからないことが多いお堀。実は、昨年、「未来の和歌山城を考えるシンポジウム」で会場に来てくれた中学生から人気テレビ番組「池の水ぜんぶ抜く大作戦」に応募してはとの質問があり、是非応募しようと答えテレビ局にお願いしてきました。その結果9月5日にロケが行われることになり、この機会にボランティアの皆さんと共に堀底に溜まったごみの清掃(本格的な浚渫も考えたのですが、専門家との調整がつかず断念)や生態系の回復、そして北辺櫓群の復元のための遺構調査などを行います。
これまでお堀の水は西の丸にある井戸(深さ40m)から東と西の2か所に給水され水位を保つとともに、一の橋付近から市堀川に暗渠で繋がっているとなっています。市堀川に排水されているのは事実ですが、井戸の完成は平成6年なのでそれまでどうして水位が維持できたのか、貴重な遺構や遺物がないかなど、番組のロケと合わせて行われるのはチャンスです。
今年は、11月に藤井聡太竜王と「30連勝を止めた男」として有名な佐々木勇気八段との竜王戦第5局が和歌山城ホールで予定されています。また、11月から翌年2月まで城内の木々や紅葉、石垣、通路をライトアップするなど和歌山城を中心として様々なイベントも予定しています。市民の方々の憩い、散策、行楽の場として、更に徳川御三家の名城として和歌山城の歴史、文化の魅力を国内外に発信したいと考えています。