(令和7年2月号)未来社会へのスイッチ
「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマの大阪・関西万博まであと2か月余り。私も55年前に万博を経験して今回が2回目になります。その時のテーマは「人類の進歩と調和」で、当時は高校生だったのですが、人類が初めて月に降り立ち採取した月の石をはじめ、動く歩道、モノレール、テレビ電話などワクワクするような体験で、その後私たちの暮らしが大きく変わっていきました。今回の万博も単なる博覧会でなく、未来の技術を医療や福祉など社会にどう活かすかを私たちが考える場でもあると思います。
デジタル化が進み、様々な情報が瞬時に入るようになり、IoTによる防犯機器などの遠隔操作やリモートワークも進んできました。そんな中でも注目されているのが、AI(人工知能)の普及です。特に生成AIでは、文章の作成、画像、音声が作られることから飛躍的に活用が進んでおり、DX(デジタルトランスフォーメーション)といわれ社会が大きく変わろうとしています。
和歌山市でも、わざわざ市役所に来てもらわなくても手続きができるようオンライン申請やキャッシュレス化など行政のDXや、バスの運転手不足等に対応した自動運転バスの実証運行、更にはドローンを活用した物流や防災対策などの社会のDXを推進しています。そんな時代の過渡期で、大阪・関西万博は少子高齢化やエッセンシャルワーカーの人手不足など社会課題の解決に向け官民協働して私たちの暮らしを転換していく、未来社会へのスイッチを入れる役割があると考えます。未来を悲観的に考える方もおられますが、人類の知恵により、生きがいを持って幸せに暮らせる社会を築いていきたいと思います。