(令和4年5月号)オール和歌山の力
和歌山市は、昭和49年から市外への転出が転入を上回る人口流出となっていました。県の中心都市でありながら、人口求心力をなくした状態がここ半世紀にわたって続いてきたのは、全国県庁所在都市のうち和歌山市だけです。
「近畿の中で和歌山市の求心力を取り戻したい」そんな思いで、若者の県外流出の原因になっている大学進学や大都市への就職、さらには子育て環境など、和歌山市に住みたいと思ってもらえるよう、「やれることは何でもやろう」と様々なまちづくりに取り組んだ結果、まちは変わり始め、子育て世代の転入が増加し、令和元年には45年ぶりに人口の転入超過となりました。
その喜びも束の間、翌年から始まったコロナ禍で、社会や経済が大きな打撃を受け、状況は一変してしまいました。そんな中でも、大きな力になってくれているのが、市民の力です。
「何をやってもダメだ」ではなく、「よし一緒にやろう!」という動きが次々と広がり、空き店舗をリノベーションして新たにオープンする方、まちづくりに参加してくれている学生さん、また、長年、美化活動や子供たちの見守り活動、社会福祉などに多くの地域の方々が、ふるさとをよくしようと立ち上がってくれています。
まちづくりは、「よそ者、若者、・・・」とよく言われますが、今、市内各所で、地元の方々と、そこに住まわれていない方が、共に活動する輪が広がっています。コロナ禍の中でも、オール和歌山の力となってくれています。
今、できることは限られているかもしれませんが、市民の皆様とともに厳しい時を乗り越え、誰からも住みたいと思ってもらえるまちにしていきたいと思います。