(令和4年4月号)新しい力

 

ページ番号1060167  更新日 令和6年10月21日 印刷 

 この春、大学誘致1校目の東京医療保健大学和歌山看護学部1期生の卒業式が行われました。学部から100名、大学院から10名が晴れて卒業し、そのうち7割もの学生が和歌山市内に就職され、看護師、保健師として、コロナ禍で逼迫する医療の現場を支える力になってくれます。
 卒業生代表挨拶で、涙ながらに4年間を振り返り、学園祭やボランティアなど地域の方との触れ合いを通じて、地域貢献できる看護師を思い描いてきたと述べられていましたが、この言葉を聞き、市内に大学が存在する意義を改めて感じました。大学生という多感な4年間を通じ、学生にとっても地域にとってもかけがえのない大切な絆が得られたのではないかと思います。
 私は、若者の県外流出を止めるため、まちなかの賑わいを取り戻すため、小学校などの廃校舎を活用した大学誘致を行ってきました。
 初めのうちは、この少子化時代に大学なんかできないという声もありました。しかし地方では、地域医療に不可欠な看護、薬剤、理学・作業療法といった分野や待機児童解消につながる認定こども園の教員などが極端に不足していることを訴え、専門分野の大学の必要性を文部科学省にも認めて頂き、県と市の連携で次々と現在6つの大学が開校することになりました。
 ここ2年間は、コロナ禍で、大きな制約がある中で思ったような活動ができなかったと思いますが、同大学の学生が「ぶんだら踊り」で見せてくれたあの笑顔は、未来の和歌山に繋がると思います。
 これから毎年毎年、誘致した他の大学からも卒業生が市内や県内に就職し、生まれ育った故郷を支える「新しい力」となってくれます。
 これまで進めてきた「ふるさとで学び、働き、住み続けられるまち」に少し近づけたのではないかと思います。