特別天然記念物コウノトリについて

 

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国の特別天然記念物であるコウノトリは、体長約1.1メートル、体重4.5から5.5キログラム、両翼を広げると2メートルにもなる大型の鳥で、水田や湿地、河川などを好む水辺の鳥です。かつては日本中に広く生息・繁殖していましたが、明治期以降の乱獲や農薬の影響などにより餌となるドジョウなどが激減したことや、巣作りを行うための大きな樹木が少なくなったことなどから個体数が徐々に減少し、昭和46(1971)年に野生下では姿を消してしまいました。国際的にみてもコウノトリは希少な鳥で、IUCN(国際自然保護連合)によって絶滅危惧種に指定されています。野生のコウノトリは現在、ロシアのアムール川中流域や中国の黒龍江省などに2,500から4,000羽が生息するのみとなっています。

個体数が減少したコウノトリですが、昭和40(1965)年からはコウノトリの日本最後の生息地となった兵庫県豊岡市において人工飼育が開始されます。平成元年には、ロシアから寄贈されたコウノトリのつがいが飼育下繁殖に成功し、それ以来毎年、増殖に成功し、現在は約100羽のコウノトリが施設内で飼育されています。平成17(2005)年からはコウノトリ野生復帰に向けて放鳥が開始されました。平成19(2007)には日本国内の野外では43年ぶりにヒナが巣立ちし、以後毎年野外で繁殖してます。近年は野外で巣立った個体が日本各地へと長距離移動し、国内の各地でコウノトリを見かける機会が増えてきています。

和歌山県内へのコウノトリの飛来について

和歌山県内には昭和43(1968)年11月6日に白浜町日置川に短期的に飛来したのが記録に残っている中では最も古い情報です。その後、平成24(2012)年頃からコウノトリの飛来が相次いで見られるようになりました。特に平成24~25(2012~2013)年にかけて和歌山市内に「和歌山コウちゃん」の愛称で親しまれましたJ0057が滞在するなど、和歌山市にとってコウノトリの存在が身近になりました。平成25(2013)年以降も和歌山県内では、和歌山市のほか紀の川市、有田川町、白浜町などでコウノトリの飛来が多数確認されています。和歌山県にゆかりのあるコウノトリのついてはブログ「コウノトリ in 和歌山」で紹介されています。

 

和歌山市内に飛来したコウノトリ

ここでは、ブログ「コウノトリin和歌山」で公開されている、コウノトリの写真をいくつかピックアップして紹介します。

 

写真:コウノトリの様子 その2
6羽の飛来(朝日) 20130810撮影
写真:コウノトリの様子 その1
J0057(船所) 20160101撮影 
写真:コウノトリの様子 その3
7羽のコウノトリ(紀ノ川) 20171207撮影
写真:コウノトリの様子 その4
J0168(紀の川大堰下流) 20180314撮影
写真:コウノトリの様子 その5
J0181とJ0182(秋月) 20180924撮影
写真:コウノトリの様子 その6
J0050(和歌山市森林公園) 20181113撮影

コウノトリ観察にあたってのお願い

  • コウノトリは人が近づくと怖がります。150メートル以上離れて静かに見守りましょう。
  • 観察するときは、無断で私有地(田んぼや畦など)に入らないようにしましょう。
  • 2月から7月はコウノトリの繁殖期です。この時期に人が近づくと巣作りや子育てに大きな影響を与えますので、コウノトリには近づかないようにしましょう。
  • 飛来したコウノトリは野生動物のため、人間と一定の距離をとる必要があります。そのため餌をあげるのはやめましょう。

(注)コウノトリへの対応についての詳細に関しては、以下のパンフレットを参照ください。

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