(令和3年8月号)日本の標準時は和歌山市にあり!
十二支では、真北を「子」(ね)、真南を「午」(うま)と呼びますが、「子」と「午」を結んだ線が子午線で、グリニッジ天文台を基準として9時間の時間差がある東経135度の子午線が、日本の標準時と決められています。日本標準時子午線の通る町は、明石市が有名ですが、和歌山市もその子午線の通るまちです。
2002年に測量法が世界基準の世界測地系に変更され、和歌山市友ヶ島には日本標準時子午線の標識が建てられたのですが、土地の都合で0.2秒だけずれていたそうです。こうした中、和歌山県土地家屋調査士会の皆さんが、再度正確に測量し、ジャストポイントに立派なモニュメントを寄贈してくれました。正午ちょうどに太陽が真南となり、このモニュメントの影が真北を差し、日本の時間と空間のランドマークとなります。
また、この子午線上には、明石市をはじめ12市がありますが、和歌山市は最も南に位置し、名実ともに日本標準時子午線最南端の地となります。
折しも今年、和歌山市出身の人気漫画家・田中靖規さんの友ヶ島を舞台にした「サマータイムレンダ」がアニメ化されることになり、友ヶ島が全国から注目されています。そのアニメの内容は「時間の繰り返し」を題材にしており、何か時間との縁を感じます。
作者も船で友ヶ島に渡るときに物語に誘われるような不思議な感覚がしたと言われています。
アニメの舞台ともなる日本標準時の島は、時間と空間に彩られ、子午線の通るまちとして、和歌山市に新たな魅力を加えてくれました。