女性救命士も活躍!倒壊ビルからの救助救出訓練を実施しました。

 

ページ番号1013441  更新日 平成28年11月4日 印刷 

 平成28年10月8日、和歌山市出島に所在する「旭コンクリート工業株式会社」様のご協力で、倒壊ビルの中に取り残された要救助者を救出する訓練を実施しました。

 訓練想定は、地震で1階部分が上階に押し潰され、パンケーキ状態になった内部に要救助者が取り残されているとの内容です。
 提供して頂いたコンクリートを倒壊ビルの壁や床に見立て、隊員が進入できる穴を開け、狭い空間内で挟まれてクラッシュ症候群の恐れのある要救助者を安全・確実に救出します。
 コンクリートに穴を開け救出する訓練は、コンクリートの調達や訓練場所の確保が難しく、今回の訓練は大変有意義なものとなりました。

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 お借りしたのは、「ボックスカルバート」という製品、厚さ20センチのコンクリートで大変強固なものです。
 まずは壁に電動ドリルで小さい穴を開け、そこに高度救助資機材の「画像探査装置」(胃カメラを大きくしたようなもの)を挿し入れ、隊員が進入するための穴の直下に要救助者が居ないかを確認します。
 万が一、コンクリート片が要救助者にあたり怪我の状態を悪化させると大変です。
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 画像探査装置
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 開ける付近に要救助者が居ないことを確認してから、削岩機を使用して隊員が進入できる大きさまで開けました。
 救助隊員、進入!!
 隊員は、ヘルメット・マスク・ゴーグル・手袋・ライト等を装備し、救助に必要な資器材を携行し進入します。
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 床下の狭い空間に要救助者が閉じ込められているとの想定内容から、今度は真下に小さい穴を開け、「画像探査装置」を挿し入れます。
 結果、開口部を設定したい真下に要救助者が居ることを確認しました。
 今度は、要救助者にコンクリート片が落ちないよう慎重に救出活動を進めます。
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 隊員が進入でき、担架を通すことのできる1辺90センチの大きさにくり抜きます。
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 訓練は、この狭い隙間に要救助者が足を挟まれ取り残されているという想定で進みます。
 地面との間隙は約40センチです。救出の際ストレスが感じられる狭さです。
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 狭い場所から救出する前に、救命処置を実施するため救急救命士が狭い空間に進入します。
 今回は、女性救命士が訓練に参加しました。
 進入する前に、救助隊員(オレンジ服)と救急救命士(青服)で救出プランを検討します。
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 救急救命士進入!!
 救急救命士も救助隊員と同様にヘルメット・マスク・ゴーグル・手袋・ライト等を装備し、救命処置に必要な資器材を携行し進入します。
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 クラッシュ症候群に備え、救急救命士が点滴のための針を刺したり、AED(自動体外式徐細動器)パットの装着等、救出前に必要な処置を実施します。
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 女性救命士もドロドロになって要救助者の救出に頑張ります。
 輝け! 女性救命士!!
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 朝の10時から訓練を開始して、救出完了したのが夕方の5時!
 7時間にも及ぶ長時間な救出訓練でした。
 訓練に参加した隊員、皆ヘトヘトでしたが有事に備え大変貴重な訓練ができました。
 最後に、お借りした「ボックスカルバート」の前で参加した仲間たちと記念撮影。
 無事に救出できたからなのか、みんな良い笑顔です。
 これからも救助隊、救急隊、特殊消火隊一丸となって市民の期待に応えられるように頑張ります。
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【クラッシュ症候群とは】
 がれきなど重いものに腰や腕、腿(もも)などが長時間挟まれ、その後圧迫から解放された時に起こる。筋肉が圧迫されると、筋肉細胞が障害・懐死を起こす。それに伴ってミオグロビンやカリウムといった物質が血中に混じると毒性の高い物質が蓄積される。その後救助される時に圧迫されていた部分が開放させると、血流を通じて毒素が急激に全身へ広がり、心臓の機能を悪化させて死に至る場合が多い。たとえ一命をとりとめたとしても、その後腎臓にもダメージを受け、腎不全で亡くなってしまう場合もある。 
 適切な救出活動が大切です!

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