要救助者を機械式立体駐車場から救え!多種多様化災害対応訓練7(中消防署)

 

ページ番号1042660  更新日 令和4年3月23日 印刷 

要救助者を機械式立体駐車場から救え!多種多様化災害対応訓練7(中消防署)

機械式立体駐車場を使用して高所救助訓練を実施しました。

写真:フォルテ南館 立体駐車場(第3駐車場)
フォルテ南館 立体駐車場(第3駐車場)

令和4年2月15日(火曜日)と同年同月16日(水曜日)に和歌山市駿河町地内にあるフォルテ南館 立体駐車場(第3駐車場)を使用させていただき、高所救助訓練を実施しました。

機械式立体駐車場とは

みなさんご存知かと思いますが、機械式立体駐車場とはパレットに車を乗せ、動力でこれを上下させて車を立体的に格納する駐車場です。限られたスペースを有効に活用できるため、都市部のマンションなどで多く採用されています。

昭和35年に日本における機械式立体駐車場第1号が東京都千代田区内に設置されて以来、全国で数多く建設されています。

和歌山市内にも数多く機械式立体駐車場が建設されており、特に中消防署管内に多く建設されています。

機械式立体駐車場と一言で言っても地上二段式、ピット二段式、昇降横行式、垂直循環方式、エレベーター方式と様々な種類があります。今回訓練を実施させていただいたフォルテ南館 立体駐車場(第3駐車場)は垂直循環方式でした。

【想定訓練】機械式立体駐車場内で動けなくなった要救助者を救え!

写真:点検用はしご
    点検用はしごを登る隊員の様子

 

 

救助小隊長が関係者から事故状況を確認すると、「機械式立体駐車場内で動けなくなった要救助者がいる」との内容で訓練が始まりました。

機械式立体駐車場の電源が遮断され、活動する隊員の安全が確保されたのを確認した上で点検用はしごを登っていきます。

 

 

写真:要救助者に接触
機械式立体駐車場内の様子

要救助者(座っている人)に接触しました。活動場所が約20メートルと高所になるため、隊員自身も転落防止のため自己確保を設定し、救出活動を行いました。

写真:救出状況
救出状況

要救助者に救助用縛帯(名称:サバイバースリング)を装着した後、隊員が登ってきた点検用はしごに支点を設定し、ロープで要救助者と隊員を吊り下げて、地上へ降ろしていきます。縦方向に狭隘な空間でしたが、無事救出することができました。

サバイバースリング・・・地上だけでなく、浮力があるため水上でも要救助者を引き上げることが可能な資器材です。

支点・・・重さを支える点。そのものが重さに耐えることができるのか、綿密に確認することが必要となります。

【検証訓練】常に要救助者の立場になって!

私たちが保有する様々な資器材を使用し、救出方法の検証訓練も実施しました。

写真:ピタゴール
救助用縛帯を使用した救出状況

要救助者に先程とは異なる救助用縛帯を装着した後、隊員が登ってきた点検用はしごに支点を設定し、ロープで要救助者を吊り下げて、隊員も介添えのため、点検用はしごを一緒に降りていきます。縦方向の狭隘な空間でしたが、無事救出することができました。

写真:バックボード
バックボード固定中の様子

要救助者の体に負担をかけさせないため、全身固定器具(名称:バックボード)で固定します。

バックボード・・・全身を固定する資器材で、脊柱の運動を制限することにより、損傷を最小限に留めることを目的として使用します。主に交通事故現場などで使用します。

写真:スケッドストレッチャー
搬送及び保護器具を使用した救出状況

要救助者の搬送及び保護器具を装着し、隊員が登ってきた点検用はしごに支点を設定し、ロープで要救助者を吊り下げて、地上へ降ろしていきます。縦方向の狭隘な空間でしたが、無事救出することができました。

 

いずれの方法でも地上まで救出することができました。常に要救助者の立場になり、考え、最適な救助方法を選定することが人命救助のプロである私たちの仕事であると考えます。

おわりに

近年、災害が多様化してきており、複雑化した災害に対応するために、中消防署職員が一丸となって訓練を積み重ねていきます。

このコロナ禍の中、快く訓練を引き受けてくださった和島興産株式会社の皆様、ご協力ありがとうございました。

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