コロナ渦で会えない皆さんのために、救助隊員の1日をご紹介(中消防署)
消防士の一日をご紹介!
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響でこの2年間程、消防署の見学をお断りしている時期もあり、以前のように元気な子供達が消防署に会いに来てくれる機会が本当に少なくなってしまいました。(コロナ渦の前は年間約3000人もの子供達が消防署に見学に来てくれました。)
いつもキラキラした眼差しで消防車や僕たちが使う道具を見て「消防士になりたい!」や「消防士さんめっちゃカッコいい」
こんな嬉しい言葉もコロナの影響で聞くことが少なくなってしまいました。
消防車を置いているガレージからみんなの大きな声が聞こえないのが少し寂しいですね。
そこで見学に来れない皆さんのために何か出来ないかと考えた結果、「救助隊員の1日」を作り、署内見学では中々話す機会が無いことまで詳しく知ってもらえたらという思いで作りました。
ぜひこれを読まれているお父さん・お母さんは子供さんと一緒に見ていただけたら、こちらも幸いです。
本日の主役は菊地士長
救助隊員の1日を紹介してくれるのは、和歌山市消防局に採用されて9年で救助隊員歴5年の菊地士長です。
菊地士長は和歌山市消防局中消防署に勤務しています。
高度救助隊の機関員(救助工作車の運転手)として、災害現場にハンドルを握って出動していく隊員です。
消防局で一番まじめで男前、3歩以上は駆け足がモットーの菊地士長の一日(朝8時30分から翌朝8時30分まで)を紹介していくよ。
8時30分 勤務交代
まずは24時間勤務を終了した班と交代します。
菊地士長は救助工作車の点検を行っているよ。
この車は暗い所を照らしたりする照明装置、重たい物を吊るクレーン、車などを引っ張るウィンチなどを装備している車だよ。
現場でしっかり使えるように毎朝確認します。
9時00分 ミーティング開始
みんなで今日の一日の予定や昨日の災害の状況などを話しているよ。
すごい真剣な顔だね!
今日の予定は午前中にパトロールに行って、昼からは人を助ける訓練をします。
さあ、消防車に乗ってパトロールへレッツゴー。
9時30分 パトロールに出発!
菊地士長の運転でパトロールへ向かうよ。
皆さんは消防士のパトロールって何をするか知っていますか。
マイクを使って「火災に気を付けてくださいね。」と市民の皆さんに伝えたり、道にある消火栓がちゃんと使えるか点検したりします。
また、高い建物、山の中、海の近くなど、様々な現場を想定して訓練します。
そんな時でも、いつどこで出動指令が鳴るか分かりません。
もし、パトロール中に火災が発生して出動指令が鳴ったら、安全な所に車を停めて、すぐに防火服に着替えて出動するよ。
1秒でも早く現場に駆けつけます!!
11時15分 事務処理
パトロールから帰って来て事務処理を行っているよ。
消防士って、災害対応や訓練だけじゃなくパソコン業務のお仕事もたくさんあって、みんなで振り分けて効率良く仕事をしているよ。
菊地士長は鋭い目で、後輩の書類をチェックしているところです。
12時00分 待ちに待ったお昼ご飯。
待ちに待ったお昼ご飯。待機室で愛妻弁当を食べます。
手作り弁当でお腹いっぱい!奥さんいつもありがとう。!
実はこの待機室には、見学に来てくれたみんながお礼に書いてくれたお手紙や絵がたくさん壁に貼っているよ。
これを見ていつも元気をもらってます!本当にありがとう。
昼からは訓練頑張るよ!!
13時15分 訓練開始!
いよいよ菊地士長が所属する高度救助隊が訓練を実施します。
今日の内容は高いところから落ちて怪我をしてしまった人(要救助者と言います)を助ける訓練をしました。
隊長含めて5人で力を合わせて救出します。
僕たちは人を助けるプロです。その誇りを持って、現場で安全に確実にさらには迅速(早く)に助けることができるように毎日、毎日訓練して災害に備えています。
18時00分 基礎錬成(走る、筋トレ)をするよ。
夕方から晩にかけて、走ったりロープを登ったりしているよ。
人を助けるためには、道具を使ったりするけど、体が一番大切です。
さあ、これから5人で腕立て伏せ!。
みんなは何回できるかな。
菊地士長は70回以上。みんなで声を合わせて頑張ります!
19時00分 消防分団の方、訓練開始。
基礎錬成を終えた後は、消防分団さんと一緒に訓練を行っています。
消防分団さんは普段は一般の仕事をされている方達で、火災などの災害時に出動し消火活動を手伝ってくれる街のヒーロー!!もしかしたら、みんなのお父さん、お母さんも入っているかも。
今日の訓練は21時頃まで行いました。
皆さん仕事を終えた中でわざわざ消防署まで足を運んでいただき熱心に訓練をされてました。
菊地士長の号令で訓練を終了します。「わかれ!!」
22時00分 訓練終了後は、シャワーを浴びるよ。
消防士はいっぱい訓練するので汗をかきます。
体をきれいにするのにシャワーを浴びるよ。
でも、シャワーを浴びているときも出動指令がいつ鳴るかわかりません。
頭や体が泡まみれでも、出動指令が鳴れば、すぐに着替えて出動します。菊地士長の頭には泡がついているかも。
それでも助けを求めている人のために、すぐに消防車に乗って現場に向かうよ。
23時00分 勉強の時間
菊地士長は23時頃から勉強の時間です。
毎日少しずつでも消防法などを勉強して、知識をつけるように努力しているよ。
菊地士長はこの勉強を9年間続けており、様々な分野で知識が豊富であり、隊長をはじめ隊員からの信頼が厚い素晴らしい職員です。
みんなも毎日の積み重ね、「継続は力なり」で勉強やスポーツを頑張ってね。
深夜1時30分 仮眠の時間です。
深夜1時半を回りました。
仮眠の時間です。中消防署には仮眠室が30室くらいあり、みんなで交代で仮眠をとって、夜中の電話対応などを行っています。
菊地士長の服装を見て下さい。救助服を着て、靴下を履いたまま仮眠をします。
もちろん寝ている最中にも出動指令がよく鳴ります。出動指令が鳴った瞬間に飛び起きて、すぐに消防車に乗って出動します。
飛び起きた瞬間から全力疾走!すぐさま出動します。ですので菊地士長のポケットには感染防止用の手袋、マスクがあって、ベッドの横には感染防護衣を置いてあり、消防車に乗るまでの間、走りながら色々な装備を装着します。
翌朝6時00分 菊地士長の相棒救助工作車をきれいにするよ。
この日の出動は建物救助1件(室内で助けを求めているが、鍵がかかっており室内に入れない)と小さい火事が1件の合計2件の出動でした。
まもなく長い24時間勤務が終了し反対の班の職員が出勤します。
それまでに、今日も頑張ってくれた車の窓を拭いたりしてきれいにしています。
大切な救助工作車に「24時間ありがとう。」という気持ちで反対の班の職員に申し送ります。
8時30分 24時間勤務の最後の申し送り事務
最後の仕事です。
昨日の災害状況や車の調子、訓練の内容などを新たに出勤してきた職員に申し送りです。
引継ぎが完了すれば、装備などを片付け、1日(24時間)のお仕事は終了です。
我々消防士は24時間365日、いつ起こるかわからない災害に対応しています。
火災だけではなく、水の事故や、車の交通事故、有毒なガスが発生した現場など、いろいろな現場に出動し人を助けています。
24時間の間に災害がなければ、できる限り訓練して、実際の現場で早く助けれるように努力をしています。
「和歌山市の安全は俺たちが守る!」
そのような強い気持ちと誇りを持って仕事をしています。
また、みんなが消防署へ遊びに来てくれることを心から願っています。
菊地士長は愛する奥さんと子供が家で待っていますので、笑顔で明日の仕事のために帰って行きました。
このページに関するお問い合わせ
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電話:073-432-0119 ファクス:073-432-0981
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