多数傷病者対応訓練を実施しました(中消防署)

 

ページ番号1042881  更新日 令和4年3月31日 印刷 

たくさんの負傷者も全員助ける!

整列

令和4年3月3日、和歌山市の下水道管理施設(湊南ポンプ場)をお借りして、訓練を実施しました。 大規模地震が発生し、建物が倒壊。それにより、たくさんの人々が負傷して、助けを必要としていることを想定した訓練です。中消防署、南分署、宮前出張所に勤務する指揮調査隊、警防隊、救助隊、救急隊の計8隊27名が「多数傷病者」に対する現場対応能力の向上を目的とし、限られた救急車両や資機材を活用して訓練に臨みました。
また、コロナ禍における現場対応も目的としており、サージカルマスク、ゴーグル、プラスチック手袋を着装して、新型コロナウイルス感染症対策を徹底した活動を実施しました。

多数傷病者対応って??

通常の救急対応(傷病者が1名)と多数傷病者災害の救急対応の違い・・・

通常の救急対応では、1名の傷病者に対して、最大限の資源(人員、資機材など)を活用し、医療機関への搬送を行うことができます。しかし、多数傷病者に対する救急対応では、最大限の資源を活用するものの、個々の傷病者への処置は制限を受けることとなります。
そこで、1人でも多くの傷病者に対して救命と後遺症の軽減を達成するために、傷病者の緊急度に応じ、処置や搬送の優先順位を決定し、医療機関への搬送が必要となります。

ここでちゅうもーくっ!!!

トリアージタグ

これは「トリアージタグ」と呼ばれるものです。
先ほど、「多数傷病者」の対応について少し説明させていただきました。その中で、傷病者の緊急度に応じ、処置や搬送の優先順位を決めているとお伝えしましたが、その優先順位を決定する際に使用するものになります。
傷病者の観察を実施し、呼吸や脈拍、意識状態、その他の負傷程度を基に、色で優先順位を決めます。そのため、色の付いている部分が簡単に千切れるようになっているのです。
流れとしては、「観察→トリアージタグの記入→観察結果に基づく色の決定→上部の紐を手首、足首または首にかける」となります。
色別の緊急性については、

赤:緊急治療群
黄:非緊急治療群
緑:治療不要もしくは軽治療群
黒:死亡あるいは救命困難群

となり、赤、黄、緑または黒の順に搬送します。

今回、自署でカーボン紙、厚紙を使用して訓練用トリアージタグを作成し、使用しました。災害現場用より、一回り小さいですが、十分活用できました。

活動の流れ

活動方針の決定!

活動方針の決定!
作戦会議中!!

複数の傷病者が様々な場所におり、消防隊も多数出動しているため、統制のとれた活動をする必要があります。そのため、各隊の隊長を集結させ、現場最高指揮者から各隊に活動方針を指示、それぞれの活動に移ります。

救出はじめ!

救助隊の活動
救出準備中!!

活動方針の決定後は、傷病者の検索活動、救出活動に移行します。
救助隊は地下ピットで負傷した3名の救出を実施しました。階段等が設けられていないため、ロープを使った降下により進入し、要救助者に接触しました。3名を1度に救出することは困難であるため、最初にトリアージを行い、緊急性の高い人から順に担架や梯子を使用し、地上に救出しました。

救急隊による観察

トリアージを実施した後、傷病者を同じ場所に集めます。自力で歩くことができる傷病者には、その場所まで誘導し、歩いてもらいます。自力で歩けない傷病者については、私たちで緊急性の高い人から搬送します。 
ここで写真に注目してください。少し見えにくいかもしませんが、赤、黄、緑のシートが見えると思います。トリアージの結果と同じ色のシートの上に、傷病者を搬送しているのです。そうすることで、手や足につけているトリアージタグを見なくても、傷病者がそれぞれ何色に該当しているのか判別することができるのです。
その後、救急隊がより詳細に観察を行い、緊急性の高い傷病者から医療機関に搬送していきます。

大規模災害の発生時に向けて

あ

多数傷病者の事故が発生した際には、消防力が劣勢になる場合が十分に考えられます。そのような中でも、私たちは日々、大規模な災害に備えて訓練に励み、市民のみなさんを守り続けます。

 

 

 

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