北消防署との連携放水訓練を実施しました(中消防署)
北消防署との連携放水訓練を実施しました(中消防署)
新型化学車運用開始!
令和4年4月8日、中消防署配置の災害対応特殊化学消防ポンプ自動車(化学車)を更新し、運用を開始しました。化学車はポンプ車の機能に加え、多量の泡を放射することができ、化学工場などで発生した危険物火災や、大規模な車両火災などで活躍する車です。
大きな工場が多数操業しており、高速道路が通っている和歌山市にとって、必要不可欠な車両です。
また、北消防署配置の屈折はしご付き消防ポンプ自動車(はしご車)と有線コードで接続することができ、化学車からはしご車の放水量や放水角度などを遠隔で操作することができます。
はしご車を遠隔操作するメリット
(1)大型石油タンクなどでの火災の場合、石油タンクからの輻射熱が強く、はしご車を操作する隊員が受傷する危険性があります。化学車とはしご車を接続することにより、石油タンクに近づくことなくはしご車を遠隔操作することができ、隊員の受傷の危険性を軽減することができます。
(2)化学車の操作隊員が、化学車とはしご車を操作することで、はしご車の操作隊員が、ほかの活動に加わることができます。
いざ、実践!
6月30日、花王株式会社和歌山工場様の敷地をお借りして、株式会社モリタ様の説明のもと、上記の、化学車とはしご車の有線コードでの車両接続方法の確認及び両車両の連携放水訓練を行いました。
株式会社モリタ様より、両車両接続手順の説明を行っていただきました。ちなみに、上記の写真に写っているオレンジ色のホースは、「高耐圧ホース」と言い、従来のホースに比べ強い放水圧力に耐えられる仕様になっています。危険物火災等では大量放水が必要な場面が多く、比例して放水圧力が高くなるため、このような高耐圧ホースを使用します。
花王株式会社和歌山工場様の給水栓から、化学車に高耐圧ホースをつなぎ、水利部署を行います(給水栓から化学車に水を送り込みます)。街中にある四角いマンホールの地下式消火栓と違い、こちらは、地上式の給水栓です。写真ではわかりづらいかもしれませんが、給水栓上部のバルブ(赤い金具がはめられているもの)を反時計回りに回すと、水が出るという仕組みになっています。
化学車からはしご車に高耐圧ホースをつなぎ、放水角度を設定します。はしご車の先端についている筒のようなものは泡管鎗(あわかんそう)と言って、危険物火災などで使用します。
通常のノズルを取り外し、泡管鎗をとりつけます。
放水開始!
給水栓から化学車への水利部署、化学車からはしご車への送水体系、はしご車の放水角度の設定等、放水に必要な準備が整ったので放水を開始します。
今回の訓練では、1分間に約3000リットルの放水量で放水を行いました。一般的な蛇口の放水量は1分間に約30リットルだそうです。なんと、蛇口に比べ100倍の放水量です!
有線コードで両車両を接続し、はしご車の遠隔操作を行います。
有線コードで両車両を接続したあと、化学車に、はしご車操作用のスロットリモコンを接続します。
このリモコンを使用することではしご車の放水角度、放水量を遠隔操作することができます。
火災現場で迅速に操作が行えるように、各隊員で操作を行いました。
訓練終了
全員整列し、訓練終了です。
おわりに
普段なかなか行うことができない北消防署との合同訓練を行えたことは、非常に貴重な経験となりました。
近年、社会情勢の複雑化などにより、災害の様相は多様化しています。また、それに合わせて消防車両や資機材も新たな機能がどんどん追加されています。車両や資機材のレベルアップだけではなく、私たちの知識、技術もアップデートし、「新しい和歌山市消防局」として市民の皆様の安心、安全のために、頑張っていきます。
最後になりましたが、今回、訓練の場を提供してくださった花王株式会社和歌山工場様、本当にありがとうございました。
このページに関するお問い合わせ
消防局 中消防署
〒640-8157和歌山市八番丁12番地(消防局・中消防署合同庁舎2階)
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