マリーナシティわかやま館をお借りして消防訓練を実施しました(令和3年7月1日から8月31日まで)
訓練場をつくる
火災現場を再現
消防士は訓練で現場対応の練習をします。訓練では災害のリアルさが重要です。
上の写真は、火災訓練の写真です。煙の先に見える赤く光る炎。火事場のように見せるために発炎筒を焚いて、噴霧器で水を散布するとこうなります。
でも、こんなことを消防署でやっていたら、仕事場がススだらけになりますよね。ではどこでやっているのでしょうか?
ありがとう。わかやま館
訓練場のテーマパーク
正解は、和歌山市民にお馴染みのわかやま館でした。
和歌山市の人工島「マリーナシティ」内にあり、1994年の世界リゾート博から多くの人に利用された複合施設です。
このわかやま館が今年度中に解体されるとのことで、管理元の和歌山県商工観光労働総務課さんのご厚意で訓練をさせてもらうことができました。
延べ面積8,353平方メートル、高さ24mの複合用途防火対象物。中には、飲食店、展示場、テーマシアター、会議室などの部屋。エレベーター、エスカレーターなどの機械類。自動火災報知設備、放送設備、排煙ファン、防火シャッターなどの消防用設備等が充実しており、訓練場のテーマパークのような場所でした。
解体予定施設だからできること
実際に壊して経験を積む
煙や炎を出して訓練することが難しいように、物を壊す訓練もなかなかできない訓練の一つです。
ドアを壊す、壁に穴を開ける、鉄板を裂く、床を貫通させる。閉じ込められた人を助けるためにはいろいろな手段があり、消防署にはそのための道具がいろいろあります。
しかし、こういった壊す訓練は年間に1回できるかできないかの貴重な訓練です。
ドアひとつ、壁ひとつ、防火シャッターひとつ、その先に人の命があると思い、全力で破壊してきました。
ちなみに上の写真の壁は厚み21センチあります。3人で人が通れる穴一つ開けるのに何分かかるでしょうか?
正解は約5分です。速いと思いますか遅いと思いますか?
わかやま館だったからできたこと
消防用設備等の説明会
いろいろな人が出入りする建物には、火事になったときに燃え広がることを抑える設備、中にいる人の避難を助ける設備、消防隊の仕事を助ける設備などがあります。
わかやま館はこれらの設備がたくさんあります。
今回、わかやま館の施設管理を請け負っている大揚興業株式会社さんのご厚意で施設内の消防用設備の説明会や訓練時の設備管理など多岐に渡るサポートを頂きました。
業務中にも関わらす多くの協力を頂き、消防署の訓練施設では出来ない貴重な経験をさせて頂きました。
私たちは支えられて働いています
恩返しは防災減災
消防署以外の場所で音を出したり煙を出して訓練をする場合、事前の準備や安全対策が必要になります。
わかやま館に関わる方に協力してもらい、マリーナシティ周辺で働く方やお住まいの方には消防訓練に理解してもらう必要があります。
2か月という長期間、全力で訓練をさせてもらえたことは、この協力と理解のおかげです。本当にありがとうございました。
私たちは協力して頂いた方に災害を予防、軽減させることでしか恩返しすることができません。
「わかやま館の訓練のおかげで助けることができました。」協力して頂いた方々にそう伝えられるようこれからも和歌山のために頑張ります。
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消防局 中消防署
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